スメハラ(スメルハラスメント)とは?職場・学校で起きている”ニオイ問題”の現実 | においの教科書

「最近、職場のニオイがつらい」
「香水がきついと言われないか不安」

日本では今、「スメルハラスメント(スメハラ)」という言葉がニュースやビジネス記事で取り上げられています。

でも実際のところ:

  • どういう状態がスメハラなのか
  • 法律で決まっているのか
  • どこまで気にすべきなのか

よく分からないまま、不安だけが膨らんでいる人も多いはずです。

今日も、においマニアの匂崎博士と、ちょっと心配性なスメル君が、最新の調査や記事をもとにやさしく整理していきます。

スメル君
🍃 スメル君
博士〜、”スメハラ”ってニュースで見たんですけど、ぼくも誰かを不快にさせてたらどうしようって心配で…。そもそも、スメハラって正式なハラスメントなんですか?

スメハラの”いまの定義”

匂崎博士
👨‍🔬 匂崎博士
まずね、スメハラっていう言葉は、法律上のハラスメントの”正式カテゴリ”ではないんだ。

スメハラの一般的な定義

HRプロや労務系メディアでは「職場や公共の場で、口臭や体臭、タバコ・香水などのニオイが周囲に不快感を与える行為」と説明されています。

起こりやすい例として:

  • 体臭・汗・ワキガ
  • 口臭、タバコ・飲酒後のニオイ
  • 香水・柔軟剤・制汗スプレーの強い香り

法的な位置づけ

厚生労働省が公式に定めているのは「パワハラ・セクハラなど6類型のハラスメント」で、スメハラはそこには含まれていません。

ただし、実態調査や事例集の中で”ニオイの問題(スメルハラスメント)”が例として挙げられているため、現場では実質的なハラスメント問題として扱われています。

スメル君
🍃 スメル君
法律にはないけど、実際には問題になってるってことですね…

日本で”問題化”している背景

現場で起きていること

近年の調査や記事からは、スメハラが次のようなかたちで問題化していることが分かります:

  • 企業の人事担当に「体臭・香りに関する相談」が増えている
  • 口臭・体臭・香水や柔軟剤の匂いに悩んでいる人が多く、職場・電車・エレベーター・映画館など、あらゆる場所で不快感が報告されている
  • メディアや海外記事では、「チームワークの悪化・モチベーション低下・離職のきっかけになる」といった影響も指摘されている

スメハラは、
“法律で名前がついたハラスメント”というより、
匂いがきっかけで人間関係や職場環境が
悪くなる現象全体を指す言葉

として使われているのが現状です

ニオイがトラブルになりやすい”脳と心”の理由

スメル君
🍃 スメル君
なるほど…。じゃあ、匂いってどうしてここまでトラブルの原因になりやすいんです?ただ”クサいからイヤ”ってだけじゃない気がしてきました。
匂崎博士
👨‍🔬 匂崎博士
いいところに気づいたね。ニオイが厄介なのは、脳が”感情と直結”させて処理しているからなんだ。

脳科学からの知見

fMRI研究では、人が様々な匂いを嗅いだ時、感情の中枢である扁桃体などが、特に”不快なニオイ”に強く反応することが示されています。

快い香りよりも、不快臭の方が神経ネットワークの結びつきが強くなるという報告もあります。

「ちょっとキツいな…」と感じる匂いは、思っている以上にストレスとして脳に刻まれやすい

日本特有の背景

さらに日本では:

  • 清潔を重んじる文化
  • “匂い=マナー”という価値観

が強く、海外メディアからも「強い香水が”スメハラ”と見なされる国」として紹介されているほどです。

スメル君
🍃 スメル君
脳の反応と文化が重なって、問題が大きくなりやすいんですね…

スメハラの”加害者”にも”被害者”にもならないために

スメル君
🍃 スメル君
うーん…じゃあぼくたちは、どうしたら”スメハラの加害者”にも”被害者”にもならずに済むんでしょう?
匂崎博士
👨‍🔬 匂崎博士
大事なのは、”誰かを責める”ことじゃなくてニオイとの付き合い方を少しだけ整えることなんだ。

① 香りアイテムは「自分基準−1段階」に

控えめな香りを心がける

企業向けの記事やコラムでも、香水・柔軟剤は”職場では控えめに”というアドバイスが繰り返し出ています。

小さな工夫:

  • ワンプッシュ減らす
  • 香りが強い柔軟剤を毎日使わない
  • 会議や面接の日は無香料にする

こうした小さな工夫だけでも、周囲のストレスはかなり減ります。

② 体臭ケアは「清潔+生活習慣」で

根本的なケア

スメハラ解説記事でも、不衛生な生活・睡眠不足・食生活の乱れが体臭の原因として挙げられています。

基本的なケア:

  • 毎日の入浴・歯磨き
  • 睡眠・食事の見直し
  • 必要なら医療機関や専門外来への相談

「ニオイ=性格」ではなく、生活と健康のサインとして捉えていくことが大切です。

③ ツラいと感じたら「距離と環境」で調整する

環境での工夫

専門記事でも、スメハラは”どのニオイが絶対NGか”という明確な線引きはなく、感じ方は人それぞれと説明されています。

環境調整の例:

  • 席替え・換気・リモートワークの活用
  • まずは環境を工夫する
  • どうしても難しいときは、人事や第三者に相談する

“あなたが悪い”ではなく”環境としてどう整えるか”という視点を持つことが、トラブルを大きくしないコツです。

スメル君
🍃 スメル君
個人を責めるんじゃなくて、環境を整える視点が大切なんですね!

スメハラを理解する

改めて整理すると

  • スメハラ=ニオイをめぐる人間関係・職場環境のトラブル
  • 法律上の”正式区分”ではないが、企業調査・メディア報道では生産性低下・モラル低下・退職の一因として問題視されている
  • 背景には、脳が”不快なニオイ”に強く反応しやすいこと、日本独自の清潔文化とニオイ観がある

だからこそ、
「匂いで人を裁く」のでも、「自分を責め続ける」のでもなく、
お互いに少しずつ歩み寄ること

が何より重要なのです

匂崎博士
👨‍🔬 匂崎博士
ニオイはね、本来は悪者じゃなくて”体と環境からのメッセージ”なんだ。少しだけ知識を持って、やさしく整えていけば、スメハラはちゃんと防げるよ。
スメル君
🍃 スメル君
博士、ありがとうございました!正しい知識があれば、不安も減りますね!

次に読むと理解が深まる記事

匂崎博士
👨‍🔬 匂崎博士
スメハラの現実と対策、理解が深まりましたか?ニオイの問題は、知識と思いやりで解決できるものです。

📚 参考文献・引用データ

この記事の執筆にあたり、以下の科学的知見を参照しております。

💼 スメハラの定義

HRプロ「『スメハラ(スメルハラスメント)』とは、職場や公共の場で口臭や体臭…」

https://www.hrpro.co.jp/series_detail.php?t_no=4269

📊 職場での実態

マネーフォワードBiz「スメハラとは?職場で問題になりやすいスメハラの具体例と対策」

https://biz.moneyforward.com/payroll/basic/68017/

🏢 企業調査

プラネット「あなたもスメハラ加害者に?…気になる”他人のニオイ”1位は」

https://www.planet-van.co.jp/shiru/from_planet/vol88.html

🌏 海外記事

Mainichi(英字版)「’Odor harassment’ lowers job morale in Japan」

https://mainichi.jp/english/articles/20240516/p2a/00m/0na/026000c

🧠 脳科学研究

Jin, J., et al. (2015). “Human Amygdala Represents the Complete Spectrum of Subjective Valence”. Journal of Neuroscience.

https://pmc.ncbi.nlm.nih.gov/articles/PMC4642243/

🔬 嗅覚神経ネットワーク

Ferdowsi, S., et al. (2025). “Identifying the human olfactory and chemosignaling neural networks”. Scientific Reports.

https://www.nature.com/articles/s41598-025-96355-2

📋 厚生労働省調査

厚生労働省「職場のハラスメントに関する実態調査(令和5年度)」

https://www.mhlw.go.jp/content/11200000/001541299.pdf